逃げ足

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    今から三年前に、ある知人から祖父と二人で暮らす小さな男の子を紹介されました。事情があって両親と生き別れてしまった孫を一生懸命育てている祖父の姿を見て、私も出来る限り力になろうと決めました。

    しかしその男の子は甘えっ子のうえ泣き虫で、友達と遊んでいてもすぐに泣いて帰って来てしまいます。

    そこで私は毎日彼に付き添い、早く走れるように特訓することにしました。なぜなら人は誰でも、何か一つ他人より優れたものがあれば、それが自分の自信となって強く生きていくことが出来るからです。

    この三年間で彼の足は、見る見る速くなり、公園で年上の男の子達にいじめられることがあっても、必ず振り切って帰って来られるほどになりました。

    先日の夕方に、私が公園を通りかかった時に、彼と彼より四歳ぐらい年上の男の子が口げんかをしているのを見かけました。私は二人に気付かれないようにそっとその場で様子をうかがっていました。

    するとどうでしょう、彼は自分より体格のよい男の子を相手に一歩も引かずに立ち向かっているではありませんか。

    彼にとって『逃げ足』の速いことが大きな自信となったのです。
    「先生、競争しようか?」今日もいたずらっぽく笑う彼の中で、自信となるものがさらに一つ二つと増えていくことを心から願っています。


    【心のサプリメント 第32回】
    シティーメイトH19.12掲載
    社会教育会 TEL 079-563-5884

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